2013-08-22

読書

ここ数年めっきりフィクションを読まなくなった。
作られた物語より現実のほうが面白いと思ってるからだ。

細部まで練られた作品は面白いけど、ツメが甘いと説得力に欠けてちょっと冷めてしまう。
特に学生からそのまま小説家になった人の作品などはあまり好まない。
サラリーマンを一度も経験したことが無い人が主人公を企業務めやOLに設定しても、理想と単なる想像(イメージ)だけで書いてんなと思ってしまう。

コメディやファンタジーならば良いけれど。


社会人になって巻き起こる現実を経験して小説より奇なりを知る。
そうするともう小説は読めない。
なんだか生ぬるくて。


違和感なく全ての辻褄が合う完璧な物語は現実だけだ。


だけど本を読まなくなると使わない日本語を忘れ、その状況にあった的確な言葉が瞬時に出てこなくなった。

やはり美しい日本語はビジネス書や実用書の中より小説の中にある。
そう思って最近本を読むように意識し始めた。
だからといって新しい本は買わない。
手元にあるもう何年も読んでない、手放す気などさらさらない私の中の名作を読むことにしてる。
漫画は何度も読みなおすけど、小説はほぼ一回しか読まない。
だから都合が良いことに内容を忘れているから楽しめるのだ。
(最後のオチはだいたい覚えてるけど。。。)

今日また久しぶりに小説が読みたくなった。
宮本輝先生の「春の夢」。
最初に読んだのは12年くらい前になると思う。
最後の1行に全身の鳥肌がたったのを覚えている。衝撃だった。
これは一生好きな作品だと、手放すことなく手元においてる。
さて、年をとった私は最後の1行、どう感じるのだろう。

今から読みます。